

子どもが小学生の時に、学校で本の読み聞かせのボランティアをしていました。
その当時はボランティアのお母さんが昼休みに学校に行って廊下で敷物を敷いた上に座りそこに集まってきた子どもたちが絵本の読み聞かせをきくという形でした。
冬は寒かったあ。でも、子どもたちのキラキラした表情が見れるのがとても楽しかった。
そして、その何年後かには小学校の授業に読み聞かせの時間を入れていただくようになったんです。
お母さんたちは、主に自分の子どものいるクラスにボランティアに入りました。
音楽室で45分間何人かのお母さんが当番制で数冊の本の読み聞かせをしていました。
本の選択は、お母さんたちに任されていました。
高学年の息子のクラスの読み聞かせの時間ある日、私は齋藤孝著の「声に出して読みたい日本語 1 」を持っていき、その中にあった「じゅげむ」を読みました。
この本は、朗読、朗誦に適した日本語のさわりを和歌・俳句・歌舞伎・落語・小説・詩・お経・物売りの口上などあらゆる分野からピックアップしてあります。
本の冒頭に著者の齋藤孝さんは、これらは日本語の宝石だと書かれています。
「じゅげむじゅげむ、海砂利水魚の〜」と読み始めると、子どもたちは大笑い。
担任の先生が、私に「お母さんその本貸してください」とおっしゃって
その日から、子どもたちのクラスで、じゅげむの長い名前を覚える大会が始まったそうなんです。
家に帰って夢中で「じゅげむ、じゅげむ」と、息子が言ってるのを聞いてその大会のことを知りました。
じゅげむは、確かに面白い落語なのですが実は、至る所で子育ての真髄に触れています。
子どものけんか介入しようとした大人が子どもの長い長い名前を言っている間に子どもたちが仲直りしている。
つまり、見守りなさいということ。
そして、こんなことも書かれています。
「ほんとに子宝に優れたからはありませんもんで、目に入れても痛くない(中略)
そうはいっても悪さをすることがありましてしかなければいけない時もありますが
それでも、頭を撫でて育てて悪い人間になったものはいないんで、
笑声のする人が1番良いようです。」
絵本も出ています。
落語絵本「じゅげむ」川端誠著 クレヨンハウス
「声に出して読みたい日本語 1 」齋藤孝著 草思社(文庫、CDブックなどもあるようです)